電気情報工学コース・教育理念

本文へジャンプ

                             1.時代背景と教育理念
     お知らせ
  • 電気情報工学コースは,JBEEの認定を受けた教育プログラムです。
  • 大学学部卒業として国際社会に通用するエレクトロニクス技術者,情報・通信技術者の育成を行っています。
  • 電気情報工学コースを修了することにより,技術士補となります。
  • 高専本科・電気情報工学科卒業生の2〜3割が専攻科・電気情報工学コースに進んでいます。
  • 高専本科卒業(5年)の場合の就職率は100%ですが,専攻科修了(電気情報工学コース修了)の場合の求人倍率は本科よりも高く,就職率は100%となっています。
  • 他の国立大学3年時に編入学する学生も2〜3割いますが,その場合も編入学した大学でJABEEに関わることになります。
  • 電気情報工学コースを修了した者の内およそ3割が大学院に進学しています。

高等専門学校は,敗戦後の急激な工業化に即応するために,中級技術者養成を目的にした教育機関として,1962年(昭和37年)に1期校として国立12校が開校したのが始まりである。高松工業高等専門学校も1期校として,機械工学科2学科と電気工学科の3学科で開校された。この学科構成を見ても,当時の工業化は重厚長大を基本とした機械化,電動化であったことが測り知れる。

 電気工学科は,設立当初は,名実ともに電気工学,電力工学等の強電系科目を主体にしたカリキュラムであった。その後,急速な電子化,コンピュータ化の技術社会への移行に追従する形で,電子系科目,情報系科目を徐々に増強させることに主眼を置いたカリキュラム改訂が1968年(昭和43年),1977年(昭和52年),1992年(平成4年)に実施されている。1999年(平成11年)には,数年来の取り組みであった専攻科が設置され,高専5年課程に専攻科2年を加えた7年一貫教育が一部実施されることとなった。そして,2001年(平成13年)には,電気情報工学科への名称変更と共に,エレクトロニクス,コンピュータ技術の目覚ましい発展,軽薄短小化を考慮し,電気・電子,情報工学系の基礎教育を徹底すること,エレクトロニクス,情報通信分野の選択科目を充実させることを基本としたカリキュラム改訂が行なわれている。

このような時代の変遷に加え,大学進学率も急増するなど,当初の目的であった技術者供給源としての高等専門学校の存在価値は,徐々に低下してきたことは否めない事実である。しかしながら,就職に関しては,景気の動向にさほど左右されることなく,常に10数倍の求人倍率を維持し,就職希望者の就職率もほぼ100%の実績を残すなど,特筆すべき成果を残して来たと言える。また,2005年春の工学系新規採用技術者約7万名に占める高専出身者の割合は,約12%であり,工学系専門教育の分野においては,必ずしも無視できる割合ではない。この割合は,専攻科卒業者と大学編入学者も含まれた数値であるが,2005年度(平成17年度)の高専卒業者に占める進学者の割合は42.9%であり,進学者のうち大学へ編入学した者は65.2%,専攻科に進んだ者は34.8%となっている。高松高専の進学者の割合はさらに高く,中等教育を含む5年一貫教育の特徴の下に育まれた成果を基本として,大学とは質実の異なる学士教育,あるいは大学院進学を目指した教育も取り入れられていることを物語っている。

この事実には,当然のことながら時代背景に基づいた様々な要因が存在しているものと考えられる。驚異的な技術の進歩は,高専の開校当初の目的を遊離させてしまった感があり,同時に,従来から謳われてきた中級技術者,あるいは実践技術者という実体は極めて不明確である。現在,高専卒業者の配属先は,大手企業であれば,製造技術や生産技術,試作や評価検証,量産設計など,特に実践的な技術を必要とする職場が多いことは確かである。また,最近,上場クラスの企業では,もの造りあるいはメンテナンスに関わる部分を子会社として分社化するところが多く,その場合,高専本科卒業者は,子会社の採用枠となっているようである。大学進学者の高まりは,過去には十分まかなえたであろう優秀な高校卒業者を採れなくなっていることを意味し,このことは,高専本科卒業者の育んだ技術とは無関係に,高専本科卒業者に期待すべき技術的レベルを低下させている。高専の設立当初の目標は,明らかに形骸化しており,専攻科進学及び大学編入学者の増加は,現実に則した新しい目標,制度を設定すべく時期を向かえてから久しいのが実状である。

 一方,今後の人類社会は,自然現象の変動,政治,経済の不安定など,様々な面において不透明なことが続出する様相をを見せている。それらの多くは人類そのものが原因となって引き起こしていることは否めないが,元々資源の無い我が国においては,他国とは趣を異にして今後の有り様を探ることの重要さを認識しなければならない。さらに,技術者としては,単に技術の向上だけを目指すのではなく,自国の伝統や文化は勿論のことながら,幅広く各国の文化に触れ,様々な価値観,考え方を受け入れ,人間としての生き方,考え方を確立する必要がある。自国だけでは生きていけない現実を認識し,グローバルな社会の中で他国の人々と共存できる術を学ばなければならない。そして,個々人が人として充実感を持って生きていくためには,他人に対する思いやり,自身を持って行える仕事の選択,それを続けるために生涯に渡り学び続けることが重要であることを理解しなければならない。


                       教育理念        教育理念と学習・教育目標