国際的に通用する技術者を目指して

電気情報工学科長

技術分野だけでなく色々な方面においてグローバル化が叫ばれています。これは電話網の発達を基盤として,携帯電話やインターネットによる情報の流れを誰もが享受できる状況にあることに起因していると思われます。情報の先取りは,古くから戦略にとって不可欠であり,「情報を制する者が勝敗を制する」とよく言われてきました。現在では「情報を制する者は世界を制する」とまで言われています。

 ところで現実はどうでしょうか。確かに,ブロードバンドで接続されたネットワーク上では,リアルタイムに実に様々な情報が得られる状況にあります。しかしながら情報量の増大が,そのまま有益な情報の増加であるとは言い難いのではないでしょうか。明らかに個人的で他の人には全く不必要なものや,商業ベースのコマーシャル,売り込みに類するものが氾濫し,「情報を制する者はセールスを制する」というような観点が突出しているように感じられます。

 このような現況を省みる時,今後何かを制する為に必要なことは,情報のフィルタリングであると考えられます。即ち,不必要な情報を的確に排除し,本当に必要な情報をなるべく短時間に取得することが最も肝要になることは確実でしょう。これに加えて,得られた情報を如何に効率的に格納・管理していくかが次の課題になるものと考えられます。裏腹に,技術者としては,不必要な情報は発信すべきではないという倫理も確立すべきことだと考えられます。

 さて,それでは,電気情報工学科の学生諸君はどのような心構えで勉学に取り組めば良いのでしょうか。21世紀に向けて構築されたカリキュラムでは,エレクトロニクス・ディジタル技術を主体とした電気電子系と,コンピュータ・ネットワーク技術を主体とした情報通信系に大きく分けて選択できる科目構成としています。学生諸君はまず,しっかりとした基礎を身につける必要があります。現在まで学んできた数学,物理,英語等の基礎は,今後の専門工学を学ぶ上で文字通り重要な礎となります。第4学年では,電気・電子・情報工学の基本である応用数学,電気回路,電気磁気学等を着実に習得する必要があります。第5学年では,電気,電子,情報,通信系に展開して行く専門科目に加え,自ら問題提起・解決を進めるPBL系科目,卒業研究に取り組みます。

 電気という現実には目に見えない物を対象とする以上,論理的な思考を行う為には数学的なツールを使って熟慮する必要があります。電気情報工学科で扱われる専門科目も,電気・電子・情報工学の性格上基礎工学的な要素が強いと言えますが,その分,上記の基本となる科目をしっかりと身につけない限り本質的な意味で理解できることは無いことを肝に銘じて下さい。

 電気情報工学科で目指すのは,しっかりとした基礎を身につけること。そして,常に問題意識を持ち,対象に向かい論理的に深く考える力を身につけ,自らの意見を筋道立てて述べられるようになることです。また,技術者としてどんな考え方が必要かを考え,技術者倫理の確立を軸として,人間としての成長も目指して行きます。