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学会賞受賞


10年に渡るモノづくり総合授業の実践実績で,
制御情報工学科が(社)日本工学教育協会より
第10回「工学教育賞」を団体受賞しました.


工  学  教  育  賞
標題:   PBL形式による「モノ作り」を題材としたOJT型総合授業の実践
受賞者: 高松工業高等専門学校 制御情報工学科 (団体)

2006年7月28日,日本工学教育協会 第54回年次大会 表彰式にて
日本工学教育協会 会長より賞状と賞牌を授与されました.


賞状 賞牌

第10回工学教育賞の賞状と賞牌


[ 学校長推薦理由書 ]

 標記、工学教育に関する業績は、以下に記述するとおり、工学協会賞規程第3条(1) に該当する業績であると判断し、工学教育賞の候補業績として推薦する。

 本校、制御情報工学科で実施するモノ作り総合授業「メカトロニクスシステム設計」 は、高等専門学校の第4学年1クラス40名を対象とするPBL形式の必修マス授業で ある。通年7単位(1単位は、50分×30週)の授業では、学生が主体となって課題 を解決すべく自律ロボットの考案・設計・製作・文書化に取り組む。その具体的授業内 容は、本書に添付する参考資料に詳しく報告されている。

 この授業では、少人数のチーム単位で学生自らが課題解決に取り組み、ロボットの考 案から成果を設計文書(報告書)としてまとめるまでの全過程を体験する。この間、教 員は、授業環境を提供してOJT手法により側面から支援する黒衣に徹し、もっぱら学 生の自主的取組を援護する。すなわち、課題解決に対する学生の意識改革を促し、ここ での経験は次年度の卒業研究における自主的取組へと引き継がれている。学年を越えた 大きな波及効果があり、従来型の授業では得難い教育効果を生み出す、新しい工学教育 方法の実践となっている。

 モノ作りを題材とするPBL教育の試みは他にも多数報告されているが、もっぱらモ ノ作り体験、競技会・発表会に重きが置かれている。メカトロニクスシステム設計では、 これに加えて技術作文技法の指導、設計書(チーム単位で100〜150ページ)作成 に関する添削指導に積極的に取り組んでおり、全授業時間の3分の1を割り当てている。 単にモノ作りや発表の技能を学ぶに止まらず、技術者としてひとり立ちするために必須 となる基本的素養を網羅し、モノ作りを通じて広く深く学ばせる総合授業である。この 点で、他に類を見ない意欲的かつ斬新な工学教育の実践である。

 メカトロニクスシステム設計は、平成17年度で10年目を迎える。この間、積極的 に論文投稿、講演発表を行い、広く工学教育関係者のご批判を仰ぐ中、授業設計の骨格 は初年度より全く揺らぐことなく貫徹されており、この点でも先見性のある優れた工学 教育の実践である。本件のようにPBL形式の総合授業を長期にわたり継続的た展開し、 OJT手法により指導する事例は稀であり、モノ作りに関する優れた実践力と工学的セ ンスを持つ学生を育成し続けて来た業績は賞賛に値すると考える。

 この授業は、実施にあたり実験室・CAD室・実習工場等の共有教育資源を多用する ため、その利用調整や実験室設備の維持・運営に相応の予算的裏づけを要する。また、 この授業と連携してモノ作りに必要な基礎知識や解析手法を授ける科目群による下支え が必須である。すなわち学科全体の協力と支援の下に成り立つ授業であり、遍く制御情 科全体の教育業績であると判断する。

 なお、本校,制御情報工学科は、平成2年4月、機械工学科の1学級を改組したもの である。