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私が最近読んだ本(2012/10)

山田悠介
アバター
角川書店
S N (1年5組)
内容
 クラスで一番地味な阿武隈川道子は、高校2年生で、やっとの思いでケータイを手に入れる。その頃、クラスでは“アバQ”というゲームがはやっていた。レアアバターを持っていることでクラスをしきっている女王様の阿波野妙子によって道子もゲームを始める。道子はだんだんとアバターを着かざることにハマッてゆく。
 そして、レアアイテムを手に入れるために、犯罪をおかし、最後には人殺しまでしてしまう……。
感想
 かわいい本の表紙とは対称に中身は非常におそろしいものになっていました。
自分が人より上に立つことによってしまい、最後には人殺しまで行う。自分の目障りなものを暴力でおさえつける。アバターに似せた顔に整形までする。そんな主人公を見て恐怖すら覚えました。
ただ人事ではないんだと思います。事実、現実でも「ゲームのせいで殺人、犯罪を起こした」と答える人が増えてきています。ゲームは楽しむものなのに、のめりこんだら、ここまで人を変えてしまうのだと驚覚しました。
 ぜひ皆さんも、ゲームについて考えながら読んでほしいです。
乙一
失はれる物語
角川書店
S K (3年電子システム工学科)
 乙一さんの作品は人間の残酷さが、顕著に表れていて、いつも意外な結末が待ちうけているので、ワクワクしながら読み進められます。その中でも一番読みやすいのは短編集だと思ったので、この本を紹介しようと思いました。
 私がこの本の中の短編で一番気に入っているのは「Calling You」です。主人公は友人と上手にしゃべれずクラスで唯一携帯を持っていない女の子です。携帯電話が欲しいと思い、自分の想像の中で携帯を形づくるんです。でもある時に想像の中で作った携帯が着信音を発するのです。もちろん頭の中なので周りには聞こえません。その電話をかけてきた子との交流が始まります。この携帯の仕組みや相手の素性などが気になってドキドキ、ハラハラしながら読めます。主人公の繊細さがとても伝わり感動する話になっています。
 図書館には乙一さんの作品がこれ以外にもあって有名な「ZOO」や「GOTH: リストカット事件」もあるので、そこから手をつけても良いと思います。ぜひ読んでみてください。
奈須きのこ
月の珊瑚
講談社
Y K (3年情報工学科)
 「眉唾な話だけど。わたしのおばあちゃんは月からやってきた人らしい。」そんな書き出しから始まるこの小説。舞台となるのは、人類が滅びかけた美しい世界。人から「お姫さん」と呼ばれる一人の美しい少女と、妙に小さな商人のお話。奈須きのこの表現する、今から少し未来のことと、昔話である「かぐや姫」をミックスした作品。
 この本にはCDが2枚ついていて、坂本真綾が優しく読み上げてくれる。また、武内崇と逢倉千尋の美しいイラストも必見。
 美しく、儚く、淋しい。そんな世界の愛を楽しんでみては?
吉川忠久
第二級
陸上無線技術士
試験問題集
第2集:合格精選320題
東京電機大学出版局
T K (4年電子制御工学科)
 合格するための過去の問題が分かりやすい解説付きで載っている。初めて二陸技の勉強を始める人にも、計算方法や単位計算もしやすい書き方で読みやすいと思う。
 しかし、これだけで合格できるかと言われると、不安は残る。副題通り、この本には320題しか記載されておらず、解説が載っていても「ああ、この方法か」と気付くことあっても、まったく勉強してない人が教科書として使用するのには向かない。
 この一冊で合格ラインに持っていくのは厳しいと思う。別の過去問がそのまま載っている本や、詳細を書いている本等を参照しながら勉強して、この本は携帯に便利なので復習や読解、自分の覚えているかの確認に使うのにはもってこいの一冊だ。
 本書はもちろん合格するために借りた。非常に使いやすく様々な場所で読めて復習しやすいのは、他にはない有益なところだと思う。
 最後にこの本は“勉強する時間が取りにくい”、“復習の確認をしたい”、“弱点を発見したい”、“書ける物が無い所でも勉強したい”と考えている人に、解くより読んで理解する要素が強いこの本をオススメしたい。
長谷部誠
心を整える。
勝利をたぐり寄せる
ための56の習慣
幻冬舎
Y M (4年情報工学科)
 この本は、サッカー日本代表キャプテンの長谷部誠選手によって書かれたものである。彼にとって「心」とは鍛える、ものではなく「整える」ものである。その、心を鍛える術についてこの本では多く述べられている。これらの中で私が最も印象に残ったのは「整理整頓は心の掃除に通じる」ということである。彼は心がモヤモヤしたときこそ、身体を動かして整理整頓をし、そうすることで心の中も掃除されるという。
 実際私も心が落ちつかないときは、部屋が散らかっていることが多かった。だから落ちつかないときには整理整頓を行った。たしかに心はスッキリして、やるべきことに打ちこめるようになった。
 この本は、彼が日々心を整えているからこそ書けたものなんだろうと感じた。彼を知らない人でも、日常生活において参考になることが多いのでぜひ読んでほしい。特に心が乱れがちな人にはオススメとなっているのでぜひ借りてほしい。
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