読書の森

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私が最近読んだ本(2013/10)

フリードリヒ・エンゲルス
空想より
 科学へ
岩波書店
K O(通信ネットワーク工学科4年)
 この本は題名には科学と書かれているのですが、実際は物理学のような自然科学を扱っているのではなく、社会主義についてのやさしい解説をしています。最初に、エンゲルスとその仲間であるマルクスの社会主義以前の空想的社会主義という社会主義の考え方について説明しています。次に、自然や社会の変化の様子をありのままにとらえるための考え方を述べています。最後に、工場などの生産手段の所有者は工場での労働者ではないことに着目し、そのような関係では労働者の解雇、商品の過剰生産、賃金の低下などによる不況が発生すると説明しています。また、不払い労働を問題しています。
 今はアイデア・情報が商品になることが多く、彼らの考えがそのまま通じるとはあまり思えません。しかし、ありのまま物事をとらえ、問題をそれが独立して成立しているのではなく、他の物事との関係性において成立していることに着目して、解決していく姿勢は今の私たちにも通じるところではないでしょうか。 当時の社会・労働環境を想像しながら読むとおもしろかったです。どのようにして 働くか考えさせられました。


三匹のおっさん 有川浩 文藝春秋
※書影はopenBDから
M F (1年5組)
 そろそろ還暦を超えようかという頃になった清田清一は、最近のマナーや治安の悪さにむかむかし、居酒屋を経営している友人の重雄ともう一人の友人則夫と話し合い、夜に見回りをすることになったのだが……。剣道の達人清一、柔道高段位保有者重雄、改造したエアガンやスタンガンを巧みに扱う則夫。三匹のおっさんの世直しが今始まる。
 この本は図書館で面白そうな本を探していたとき、題名を気に入って借りました。最初は暇つぶしになればいいと思っていたのですが、読んでみるととても面白く、笑いを堪えるのが大変でした。みなさんも一度読んでみてください。


理系の人々 よしたに 中経出版
※書影はopenBDから
K A (1年7組)
 この話はジャンルとしてはホラーだと思われるが、この本は「理系離れが叫ばれて久しい昨今、理系の本来の魅力、素晴らしさを改めてみなさんに伝えるべく…」という著者(理系)の描く、理系の人々のための理系の本だと思いました。
 理系といえば「頑固」「ケチ」「話長い」「女子が苦手」…そういったネガティブな偏見をされがちですが、著者はまさにそういう人です。この本に出てくる人々は理系だけではありません。文系の人々も出てきます。理系と文系で、同じセリフや同じ状況でもこんなに違うのか、と驚きながらもとても面白く笑えます。又、文系との対比のみではありません。理系の人々のやりがちなこと、生活があまりのままに描かれていて、自分にも当てはまる部分が多数あり、他人事とは思えませんでした。出てくる人々がとても楽しそうで、理系も悪くないな、と妙な安心感ももてる作品だと思います。
 ちなみにこの本は最初に述べたように、理系の人々の本だと思います。文系の母は「イライラする」と申しておりましたので、文系の方にはおすすめできません。そのところ読んでいて爽快な私はやっぱり理系のようです。


植物図鑑 有川浩 角川書店
※書影はopenBDから
A O (2年通信システム工学科)
 私は友人に薦められ、この本を読みました。もとから本が好きだし、この本はすごく読みやすく、また内容もとてもおもしろく一気に読んでしまいました。『植物図鑑』という題名からなんとなく感じ取れますが、いろいろな植物が登場してきました。ポピュラーなところでいうとツクシやタンポポ、シロツメクサ等です。登場してきた植物たちはみんなこの本の登場人物のサヤカとイツキのおいしい食料に変化していきます。天ぷらやあえもの、煮物など本を読んでいてお腹が空いてきます。そこが最初の見どころです。サヤカとイツキはいろいろなことがあり同棲しています。そして2人は恋に落ち、付き合いはじめるのですが、イツキが突然サヤカの前から姿を消します。ここが見どころ2つめです。最終的にハッピーエンドになるか、バッドエンドになるかは、みなさんぜひこの本を読んでみてください。
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