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私が最近読んだ本(2014/10)



いつか猫になる日まで 新井素子 集英社
※書影はopenBDから
K K (1年5組)
 僕は「いつか猫になる日まで」という本を借りました。
 物語は、主人公がまっ白な部屋でなにかをずっと待っていると女神が現れて道ができたところで夢から覚めることから始まります。そこからいろいろな話が展開されていきますが、まだ少ししか読めてないので、早く次の章を読みたいな、と考えることもしばしばあります。まだまだ読めてないのですが、冒頭から不思議な雰囲気がしました。どんどん読み進めていくと話の冒頭の女神が何なのか、女神が差し出した道はなんなのか、が分かるのかもしれません。猫になる日がくるのかな、と若干の期待や、物語を読んでみようかな、という軽い気持ちもあって読もうと思いましたが、全てを読み切るには時間がかかりそうです。
 章ごとに分けられているので、少しずつ読むにはいいのかもしれません。


世界から猫が消えたなら 川村元気 マガジンハウス
※書影はopenBDから
S M (2年電子システム工学科)
 私がこの本を読もうと思ったのは、この本がニュースになっていたからです。
 そして、なにより私が猫派で「世界から猫が消えたなら」という題名に強く引き付けられたからです。内容は、「余命あとわずかな主人公が生き残るためにこの世界の何かを消す」というものでした。川村元気については、この本を読むまで、まったく知りませんでした。でも、この本を読んでから少し興味がわきました。なぜなら、この本の中に言葉に哲学的な物が複数入っていたからです。
 ただ「おもしろい」「かなしい」「感動した」という感覚だけではなく、「ためになった」「物のありがたみが分かった」などの知識的なものもこの本は私に届けてくれました。もし、この本をあなたが読み終えたなら、あなたのその後の人生の見方は少し違ったものになるでしょう。一時間程度で読めるものなので、普段本をあまり読まない人(私)でも気軽に読めるオススメの一冊です!!


注文の多い注文書 小川洋子 筑摩書房
※書影はopenBDから
M S (2年電子システム工学科)
 この本は、今まで僕が読んできた本とは、全く違う存在だった。
 一言で表すと、「とても美しい本」だったのだ。舞台は『ないものを取りそろえる雑貨店』、登場人物は店主、番頭にして書記、そして『ないものを探す客たち』だ。彼らは時に迷い、時に悩み、時には泣いたり、笑ったり、とこの本の中でひっそりと、しかし確かに息づいている。ページをめくると、まず飛び込んでくる一文は『その街区は都会の中の引き出しの奥のようなところにありました。』という何とも言えない魅力を持った文章だ。読み進めるうちに、どんどん引き込まれていくのがわかる。プロローグを終えると、客と店主たちの対話式の本編が始まる。この“対話式”というのも、この本の大きな特長の一つだ。客の「注文書」、「受領書」を書くのは、『博士の愛した数式』で有名になった小川洋子だ。彼女の言葉は時に流れるようにおだやかに、時に壊れそうなほど繊細で、とにかく美しいの一言に尽きる。店の「納品書」を書くのは、店と同じ名前のクラフト・エヴィング商會という、作家と写真家のユニットだ。吉田篤弘の優しく暖かく時に謎めいた文章と、吉田浩美の引き込まれるような写真は、今までの小説をくつがえすような、斬新な美しさをもっている。
 これだけ語っても、まだこの本の良さは語りつくせない。ぜひ一度手に取って読んでほしい。
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