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私が最近読んだ本(2017/05)



キケン 有川浩 新潮社
※書影はopenBDから
T R (1年1組)
 私が紹介する本は、有川浩氏著の「キケン」です。私がこの本に最初に出会ったのは、中学一年生のころでした。そのころに、私は、有川浩氏の本を好んで読んでいました。そのなかでも、私が最も気に入っていた本が、この「キケン」です。
 有川浩氏といえば、「愛と戦い」というイメージが強いのです。しかし「キケン」は大学生が、本気でバカやって、自分と仲間のことだけを考えて、小さな世界だけに夢中になる、そういった青春をすごすという話です。これだけでも、読者を楽しませてくれるのですが、私が最も読んでもらいたいのは、最終話です。最終話は主人公らが、大学を卒業して十年後の話になります。ここでは、主人公のすごした時間、場所が、仲間たちにとってそうではなくなっているかもしれない不安。それを「あの頃」として認めていく彼がゆっくりと「今」を描いていく。という流れになっています。
 最後になりますが、もし、この本を見つけた時少し手にとってみてください。とても、おもしろいですよ。


まおゆう魔王勇者 1 橙乃ままれ エンターブレイン
※書影はopenBDから
A H (1年2組)
 僕をふくむ皆の知っているRPGというのは、勇者が魔王を倒すことで完結し、世界には平和がおとずれると思います。しかし、この本はその常識をぶち壊しました。
 そう、絶対の悪と言われる相手を倒してもこの現実の世界では急に幸せになれたりしません。この本も同じです。そして、そもそも魔族が悪とはだれが決めたんだと言う経済学の専門家の魔王やその魔王に口説かれ、魔王と共に暗黒の中世に立ちむかう勇者など数々の個性的な登場人物がでてきます。まだこの本には驚くべき所がたくさんあります。登場人物の中の誰一人として脇役がいなかったり、本の99%以上が会話文で構成されていたりと、この本はとても変わった所が多いです。そんなこの“まおゆう”という本、とても奥が深いです。いろいろな視点から読めるので読む人によってちがった印象を持つと思います。
 皆さんもこの“まおゆう”の世界にぜひ引き込まれてみて下さい。


罪と罰 ドストエフスキー 新潮社
※書影はopenBDから
M D (1年2組)
 この本はロシア文学の一つでとても有名なものです。物語のはじまりは貧乏学生「ラスコリーニコフ」が「一人の悪人を殺し、たくさんの人を救う」という考えをもち、また困窮のために金貸し老婆を殺そうとすることです。しかし殺害の現場に居た老婆の娘も殺してしまい、罪悪感からぬけだせなくなってしまいます。
 その後は、主人公がどのように罪悪感と向き合うかがかかれています。また、他にも、登場人物がたくさんおり、一人一人に濃密なストーリーがついています。自分はスヴィドリガイロフが好きです。
 正直に言いますと、内容が複雑で、説明しきることができません。しかし、この本はとてもおもしろく、特徴の中に「セリフがとても長い」や「表現が“ロシア的”熱を帯びている」などとてもおもしろく興味深い本です。私は中学生のころ、先生のすすめで読みましたが、とても好きになり、ロシア文学を少しずつ読むようになりました。
 “ロシア的”表現、複雑なストーリー・キャラクターが好きな方、また新しいジャンルに挑戦したい人はぜひ読んでください。


少女は卒業しない 朝井リョウ 集英社
※書影はopenBDから
O S (通信ネットワーク工学科2年)
 私がそもそもこの本を手にとった理由はこの本の著者朝井リョウさんの作品「何者」が好きだからです。
 私がこの本を読んで思った感想は、主人公や回りの人たちが高校生という私たちと同じ立場なので、すごく共感できる部分がありました。そして、よりリアルに感じられた作品だなあと思いました。この本を熟語で表すと「青春」。でも、キラキラした青春物語ではなく、とてもリアルな物語です。(笑)
 7人の少女の物語。恋愛の甘酸っぱい気持ちを巧みに表現していて、恋愛だけじゃない友情、将来の夢、後悔、成長、希望・・・。たくさんの青春の感情をつめこんだ作品です。「この作品に学生のうちに出会ってよかった。」と思える作品でたくさん考えさせられました。絶対に今、青春まっただ中!と言われている皆さんに読んで欲しい一冊です。


響け!ユーフォニアム ~北宇治高校吹奏楽部へようこそ~ 武田綾乃 宝島社
※書影はopenBDから
T K (1年3組)
 みなさんはこの本を読んだことはあるでしょうか。なんとこの本はアニメ化したことがあるほどの人気の小説です。(でもこの本のアニメ化の情報は書いているときに分かりました。スイマセン)まあこんなにわかな自分ですが、紹介させてもらいます。
 まずこの本はシリーズもので、北宇治高校吹奏楽部に入部した主人公やその仲間たちがその吹奏楽部を通して、成長していく様子を描いた本です。
 この本の良いところは悪くいうと単純、良くいうとドストレートなストーリーの展開です。まさに王道といった内容の話となっています。この本は思春期ではずかしくてちょっとという人でも借りやすい本ではないかなと僕と思います。
 さて、ここまででこの本に興味・関心を持ったのなら、図書棟2階の図書室までぜひどうぞ!


悪の教典 貴志祐介 文藝春秋
※書影はopenBDから
M K (1年3組)
 僕が推薦する図書は「悪の教典」という本です。
 この本は、少し前に映画化された作品なので知っている人もいるかと思います。この物語は、高校英語教師である蓮実聖司を中心に動きます。蓮実は頭脳明晰、スポーツ万能で他人からの信頼も厚く、まさに非の打ちどころのない完璧な人のように思えます。そして、学校に起きる様々な問題を解決します。なんだ、ただの学園小説じゃないかと思うかもしれません。ですが、最後には最初からは全く想像のつかない展開となっていきます。蓮実がどのような行動をするのか予想しながら読むと色んな意味で面白いかと思います。


女王はかえらない 降田天 宝島社
※書影はopenBDから
K M (通信ネットワーク工学科2年)
 私は借りた時「女王はかえらない」というタイトルにひかれて借りました。ジャンルも全く知らずにかりて、読んでからミステリーと知りました。でも、物語の終盤になるまで私はミステリーだと分かりませんでした。結末を知って「えっ!!うそ!」ってなりました。
 前半まではあるクラスでおこったイジメの話でした。そのクラスにはマキという女王がいました。女王の周りの人をランク付けしてイジメていました。ある日、東京からエリカという美少女転校生が来ました。エリカが来てからマキの女王という立場がくずれました・・・(ネタバレを含むため中略)・・・
 衝撃のラストに誰もが驚くと思います。ぜひ読んでみてください。


ボッコちゃん 星新一 新潮社
※書影はopenBDから
W R (情報工学科2年)
 日本SF御三家のひとりとも称される星新一のショートショート集で、表題作品をはじめ50編が収録されています。
 ショートショートという短い話の中にも数多くの伏線や意味深な文章がちりばめられているのが特徴的で、文章のひとつひとつをじっくり読んで考えなければオチが理解しにくくなっています。この本に収録されている作品の内容は強盗ホイホイや病気になる薬、赤ん坊の神など、どこか不思議なものばかりで読んでいて楽しいです。
 SFが好きな人、頭を使って本を読みたい人、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
ウスバー
この世界がゲーム
だと俺だけが
知っている
エンターブレイン
H Y (情報工学科2年)
 ゲームが大好きな主人公 相良操麻 は、大学生だ。特に、VRゲームの「New Communicate Online」を好いていた。このゲーム、Communicateと書いているが1人用のゲームで、1人を好んでいた主人公にはちょうどよかったようだ。そんな主人公には、2つ下の従妹がいる。その従妹の倉庫整理の約束していたのだが、ゲームに夢中で忘れてしまう。それに怒った従妹のあらぬ一言で、「New Communicate Online」の世界に送られてしまった主人公。あまたのバグがあるこのゲームの世界で生きていくことはできるのか!!
 どうぞ読んでみてください。
ミッシェル・ロヴリック&
ミンマ・バーリア
ヴェネツィアの
薔薇・ラスキン
の愛の物語
集英社
M H (電子システム工学科3年)
 いつの時代も、宗教や身分などの違いによって、好きな人と結ばれないものだなと思いました。主人公であるラスキンもその一人でした。彼は、ローズという女性を愛し、結ばれたいと思っていました。しかし、当時の歴史的背景が絡み、ラスキンの願いが叶うことはありませんでした。二人の関係性は、画家ヴィットーレ・カルパッチョの絵画に照らし合わされ、より現実的に捉えることができます。読む度に、物語の奥深さ、そして、ラスキンの想いを知っていける喜びを感じます。ぜひ、皆さんに読んで頂きたい一冊です。


人工知能はいかにして強くなるのか? 小野田博一 講談社
※書影はopenBDから
S N (電子システム工学科3年)
 普段は小説を好んで読み、専門書の類を読むことはありませんが、以前ニュースで人工知能(AI)が韓国の世界最強の棋士に勝ったことが話題となったこともあり、興味を持って本を借りてみました。
 人工知能についての知識が乏しい人は、「人工知能は自ら学習したり物事を考えたりするのだろう。」などと想像するかもしれません。しかし、実体はそれとまったく異なります。幸か不幸か、ドラえもんのような、人間と同じように考えたり感情を持ったりするロボットはまだ開発されていません。プログラマーがつくったアルゴリズムに従っているだけです。
 この本は謎に包まれた人工知能の仕組みを目の前の霧が晴れるように、爽快に解き明かします。人工知能は日々進歩を続け、その大いなる可能性からは今後とも目が離せません。また、途中いくつかパズルが用意されています。携帯ゲームも結構ですが、たまにはじっくり深く考えてみてはどうでしょうか。友人と一緒に考えてみても楽しいと思います。(実際、僕もある人に一問チャレンジしてもらいました。)


代償 伊岡瞬 角川書店
※書影はopenBDから
A K (情報工学科3年)
 この物語は主人公である圭輔の学生時代を描いた第1部と、弁護士となった圭輔がある事件に立ち向かう物語です。
 第1部では、圭輔が小学生だったころに自宅の近くに母親の遠縁にあたる浅沼家が引っ越してきたところから始まります。浅沼家には圭輔と同じ年の達也という子どもがいました。この達也がとんでもない悪ガキで圭輔の人生を滅茶苦茶にされてしまいます。
 第2部では、寿人という友人とその家族に支えられながら弁護士になった圭輔にとある傷害事件をおこした犯罪者から名指しで弁護の依頼が来ます。その犯罪者というのはかつて圭輔の人生を滅茶苦茶にした達也でした。圭輔は過去におきた事件の真相を明らかにするために達也からの依頼を引き受けます。
 この本は読んでいて辛くなる描写がいくつもありますが、それでも立ち向かっていく圭輔の姿に感動し、とても尊敬しました。
森實敏彦
エンジニアに
なりたい君へ
幻冬舎メディア
コンサルティング
T M (通信ネットワーク工学科3年)
 僕がこの本を借りた目的は、香川高専詫間キャンパスに入学してからはやくも2年が経ち、3年生になった今、将来のことについて考えることが多くなりました。高専で勉強することはエンジニアになるための教育養成だと思うので、今の自分にピッタリだなと思い借りました。
 この本を読んで思ったことは、自分とはどういう人間か、自分の長所や短所はどこかなどの自己解析をすることの大切さです。将来の夢をそれとなく決めているとします。そして、いざその会社に就こうと思ったときに何も考えないで入れるわけがありません。
 まず、自分を見つめなおし、友達や家族から客観的に見た自分について知ることが重要です。そして、就きたいと思う会社の職業解析をします。これら2つの解析を通してその会社にマッチングしているかどうか、仕事選びをすることが後悔しないためのとても大事なことなのです。
 他にも、エンジニアについて、著者の経験や社会的知識とともにとても分かりやす説明されているので、高専生のみならず、エンジニアを目指す人には、ぜひとも読んでほしい作品になっています。
 この作品を読んで、自分の立場を理解し、将来について考えてみてください。


撫物語
 西尾維新 講談社
※書影はopenBDから
M R (通信ネットワーク工学科3年)
 僕はこの物語シリーズと呼ばれる作品をアニメで知りました。それから書籍を読むようになりましたが、この作品は、登場人物同士の掛け合いや表現が独特でとても惹き込まれます。また登場人物の言葉一つ一つに重みと説得力があり、読んでいて自分の中の価値観を変えてくれるかも知れません。この撫物語では努力とは何か、深く考えさせられました。
 シリーズものなのではじめは少し読むことに抵抗がある人もいるかもしれませんが、とてもおもしろい作品なのでぜひ手に取ってみてほしいです。
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