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私が最近読んだ本(2018/5)



君の膵臓をたべたい 住野よる
双葉社
※書影はopenBDから
M F (1年1組)
 映画を前に観たことがあり、小説でも読んでみたいと思い、借りました。 映画と小説では、少し内容が違いました。 この本の内容は余命があと少ししかない少女と少し性格が暗い少年との恋模様が描かれています。 最初は、少女に対して心をとざしていた少年ですが、時がたち、 少女と一緒に過ごす中で心をひらいていくもようもとても楽しく読むことができます。 最後は涙がこぼれてきそうなほど、感動します。映画の中では、 少年が大人になってからもストーリーがあるのに対して、 小説では少女が亡くなったところで終了していたり、映画には、 ない場面もあったりするので、映画とは、違ったものとして読むこともできます。


キノの旅 : the beautiful world 時雨沢恵一
メディアワークス
※書影はopenBDから
S Y (1年2組)
 この物語の主人公は「エルメス」という名のしゃべるモドラトに乗って 旅をする「キノ」という少女です。 この物語は1つの巻でいくつもの国に旅するので短編集のような構成になっています。 なのでどの巻から読んでもおもしろいと思います。 僕は最初から順番に読むとイラストを書いている黒星紅白さんの絵が だんだんきれいになっていくのでよりこの物語を楽しめると思います。 この本を読んだ感想ですが、キノは自分で旅をするのにあたって 1つの国に滞在するのは3日だけというルールをつくっています。 なので、どの国にも属さず、それぞれの国を客観的に見ている キノの気分も味わえて楽しく読めます。


キノの旅 : the beautiful world 時雨沢恵一
メディアワークス
※書影はopenBDから
U R (1年3組)
 主人公「キノ」と相棒のモトラド「エルメス」の旅の話です。 短編連作の形で綴られているので本が苦手な方でも読みやすいと思います。 私はこの本の世界観にびっくりしました。 この世界は城壁で囲まれた「国」というものがたくさんある世界です。 私がいる世界はそんなものはなく旅人という人もあまりいないのでとても新鮮でした。 一番びっくりしたのはモトラド「エルメス」や犬「陸」などの言葉をださないものが 言葉を話すということです。すごくワクワクします。 城壁で囲まれた国ごとに特徴があり次はどんなところかなとワクワクします。


獣の奏者Ⅱ 王獣編 上橋菜穂子
講談社
※書影はopenBDから
H H (1年2組)
 リョザ神王国では、人は王獣と共に暮らしていた。 人は王獣を従わせ、王獣は人に従う。 だが、人は王獣を従わせても、馴らすことはできず、 また馴らしてはいけない。ある日、カザルム学舎で獣ノ医術を学んでいる 霧の民の血を引く少女エリンは、傷ついた幼い王獣の子リランと出会う。  心を閉ざし、何人たりとも近づくことを許さない王の獣。 エリンはその心を開き、通わせあう術を見いだしてしまった。 そしてリランは、エリンの言葉を理解し、成長し、 果てには大空を翔るまでに至った。希望の風を呼ぶ王獣と日々を過ごす エリンはある時、王獣にまつわる歴史を知ることになる。 ――人と王獣。少女と獣は心を通わせ、しかし、 互いを理解しあうことはない。決して相馴れない彼女たちが 手を取り合うことは、果たして、正しい選択なのか。 ――これは、人と獣の世界を綴る物語。 ――それは、人と獣が奏でた、1つの世界の調べ。 彼女たちが紡ぐ唄をあなたも聴いてみませんか。


Another(アナザー) 綾辻行人
角川書店
※書影はopenBDから
G Y (情報工学科4年)
 この作品は転校してきた男が主人公の物語です。 主人公が転校してきたクラスには、恐ろしい呪いがかかっていました。 「それ」が起こると、その年のそのクラスでは毎月、必ず1人以上の人が 死んでしまうという呪いが。呪いは起こる年と起こらない年がありましたが、 残念なことに今年は呪いがある年だったのです。主人公はその呪いのことを 知りませんでしたが、次々と事件は起きていくのでした。 読み始めは少し言い回しがくどく感じられるかもしれませんが、 読み進めていくとおもしろくなると思います。


半分の月がのぼる空 橋本紡
メディアワークス
※書影はopenBDから
K M (通信ネットワーク工学科3年)
 このお話はA型肝炎にかかって入院することになった主人公裕一が 重い心臓の病気の少女、里香と出会います。里香は幼いころからずっと 病院で辛い治療でも感情を示さず、いつ死んでもいいと思っている子でした。 そんな里香が裕一と出会い、生きる希望を持ち手術にいどもうとします。 この世で一番大切なものを見つけた2人の葛藤やその周りの人の支え、 生きることの大切さ、命の大切さを教えてくれる本です。 私の兄も大好きな物語でした。恋愛ストーリーですが、主人公も 男目線なので男性でも読める物語だと思います。 よかったら手にとってみてください。


崩れる脳を抱きしめて 知念実希人
実業之日本社
※書影はopenBDから
T A (通信ネットワーク工学科3年)
 広島から来た研修医の碓氷先生が、脳腫瘍を患うユカリさんと出会い、 互いに心を通わせていった。研修を終え広島に帰った先生にユカリさんが 亡くなったと知らせが届いた。それから碓氷が彼女の死の原因を 調べていると隠されていた真相を知っていく、という物語でした。 あまり本を読まない私でも最後まで読めました。 ラストはどんでん返しの連続で、後半は、一気に読むことができました。 この作品を読んで今を生き続けることの大切さや自分が生まれたことを 考えさせられました。 ストーリーがまとまっていて、何度も読みたくなる作品だと思いました。


杉下右京の密室 碇卯人
朝日新聞出版
※書影はopenBDから
Y H (電子システム工学科3年)
 警視庁特命係警部である杉下右京は、ある日東京大学の知人で 半導体会社社長の騠松啓文から奇妙な招待状を受けとった。沖縄の 久部良島の私邸で会社の経営情報を流し、自分の命を狙っていた犯人を 当ててほしいと頼まれる。容疑がありそうな関係者を集めて推理ゲームを することになったのだが、ゲームの途中で騠松氏が内側からは 外へ出ることのできない密室で殺されて発見された。 テレビドラマ『相棒』でおなじみの杉下右京が解決する密室ミステリー。 まわりとは一風変わった洞察力と鋭い推理でとてもおもしろく読みやすい ミステリーとなっている。 ミステリー好きの人にはもちろん、これから読んでみようと思っている人にも おすすめの本だ。


世界から猫が消えたなら 川村元気
単行本:マガジンハウス
文庫:小学館
※書影はopenBDから
M S (情報工学科3年)
 この本が映画化されたのを知っていて、前々から読んでみたいと 思っていたので今回借りて読んでみました。この本は、突然余命宣告された 主人公が、この世界から何かを消すことによって余命を伸ばしていくことが 出来る能力を持った悪魔と、大切な過去と自分の未来について考えていく 話です。まず、悪魔は電話を消しました。主人公は消される前に最後の 電話をかけようと電話の相手を探し恋人に電話をかけました。二人は電話では 何時間も話すのに会うと会話の少ないそんな関係でした。つまり、二人にとって 電話はとても大切なものでした。そして、電話が無くなると、彼女との関係も 消えてしまいました。この物語では消えるものにかかわる人々との関係も、 なくなる仕組みになっています。次に彼が大好きだった映画と映画を通して 出来た親友との関係が消え、時計と時間が消え、そして最後に悪魔は猫を消そうと しました。主人公にとって猫は、亡くなった母との思い出がつまった、飼い猫の キャベツやレタスを消すことになります。ここで主人公は、母からの手紙を読み、 猫を消すことはしませんでした。主人公の母の「何かを得るためには、何かを 失わなくてはね」という言葉は、まさにこの物語の結論だと思いました。 人間は生まれたときから「死」というものに関わり続けなければなりません。 いつかは死ぬと分かっていても、いざ残り少ない人生と向き合おうとすると、 ぼう然としてしまうものです。今、当たり前のように生きているこの時間は とても貴重な時間であるのだとこの本を通して改めて強く感じました。 また、これまでの過去の出来事は自分の未来を作っていると実感しました。 出会った人や、もの、場所に感謝し色々なことにチャレンジしていきたいと 思いました。

アレックス・ロビラ
フランセスク・ミラージェス
幸福の迷宮
ゴマブックス
M H (電子システム工学科4年)
 皆さんは、どんな時に『幸福』だと感じますか?大切な人と過ごす時間、 長年の努力が報われる瞬間など、様々にあると思います。では、それは 『何拠』にあるのでしょうか?これもまた、人によって考え方が異なります。 この本は、『幸福』の価値観について再認識する為のものだと思います。 中でも、『人が出会う障害物は、ほとんど自ら作り上げたもの。なぜなら人は、 夢が叶うことを恐れるから』という言葉が印象に残っています。人は幸福に なりたいと願いながら、自分でそのゴールを閉ざしている、何とも矛盾した 行動をしているんです。自身も、そういった経験があり、大抵は『最初から 諦めている』ことが原因なんです。ですが、自分がなりたい自分になれば いい、と、それが幸福への近道なんだと、本を通じて気付くことができました。 もし、心が迷宮に迷ってしまったら是非読んで下さい。答えは案外近くに あるかもしれませんよ?


銀河鉄道の夜 宮沢賢治 新潮社
※書影はopenBDから
S N (電子システム工学科4年)
 昔、小学生の頃にプラネタリウムを観にいきました。真っ暗なドームの中で、 星空を見てくつろいでいると、「銀河鉄道の夜」のお話がされました。 今となって、「銀河鉄道の夜」を目にしたとき、お話が思い出せないことから、 読んでみるかという気持ちになりました。本を読む前の印象は、その題名から 幻想的でファンタジーな世界観を思い浮かべました。  途中から乗車してきた、少年と少女に、話し相手である友人をとられて、 おもしろくないジョバンニです。それでも、次第に打ち解けることができました。 ようやく彼らとも仲良くなったジョバンニでしたが、彼らが降りる駅が 近づいてきました。このまま乗っていたい少年と少女でしたが、 そういうわけにはいきません。少年と少女は、涙で、ジョバンニは、感情を 隠すようにぶっきらぼうに「さよなら」を言いました。このような、ジョバンニの 心変わりの様から、おかしいような寂しいような気持ちを感じました。 本を読んでからの印象は、本を読む前と同じような世界観だと思いますが、 加えて、その世界から現実世界に帰ってきたときに、生々しい傷跡のような ものがついてしまいました。容器を勢いよく絞り飛び散ったケチャップで 一部赤く染まった真っ白なTシャツのように。
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