昔のスリランカで使われた本について

 

電子工学科4年       

サンジーワ・デイサーナーヤカ

 

詫間小学校の門の近くにある薪をかついで歩きながら本を読んでいる人物の彫像は私にすごい印象を与えました。昔から人は知恵を得るためにどんな風に頑張っていたのでしょうか。そして知恵は進歩しながら世代から世代へどうやって伝わってきたのでしょうか。その中で本が重要な役割を果たしてきたことは言うまでもないと思います。では情報を記憶する道具として大切なものである本は一体どうゆうふうに誕生したのでしょうか。

昔の人間は数を数えたり、相手とコミューニケーションを取ったりする際には手話とか木や石の上に描いた絵あるいは単純な記号などを使っていたことが知られています。こういった記号と絵がどんどん進歩してきて文字と数値になって、言語が生まれて、言語で表す情報を記録する道具として本が誕生したと思われています。

その本の誕生をきっかけとして世界に明らかな変化が現れました。というのは色々な分野について書かれている本が次々に社会に入ってきたので一般の人々にも情報を簡単に手に入れることが可能になり全体的に人類の考え方に革命が起こったからです。

それでは私の国で情報を記憶するために昔使っていた「プスコラポタ」と言う本をこれから紹介したいと思います。昔のスリランカの王様は国民に知らせたい報告を石の上に書かせたそうです。この報告のいくつかがまだ残っています。石の上に書かれていたのでそれらは水や火事にあっても、この数百年間損傷を受けないで残りました。しかし、石の上に報告を書くのは難しい作業で時間がかかると言う面から見るとそれほどいい方法ではありませんでした。

紀元前3年にスリランカに仏教が入ってきて、文化や人々の考え方に大きな影響を与えたことによって、王様だけでなく普通の人々の間にも「プスコラポタ」が広く使われ始めました。「プスコラポタ」とはカバーが木造でページはパルミラヤシ(palmyra) の木の葉から作られた大きさが18*4インチぐらいの本です。現在も残っている一番古い本は16世紀に書かれたと言われています。パルミラヤシの木から切り取った葉が本のページになるまでの作業はそれほど難しくありません。もちろんこの作業の中では水や虫からの損傷を防ぐことと、長く使えるように本を作ることが注意する中心となります。

この本に字を書く時は鋭い先端を持つ8インチぐらいのペンを使います。ペンと行ってもインクが入っていません。だから字が見えるようにするには面白い方法が使われていました。まず字をきちんと書きます。それからページの上に特別の黒い粉を広げてページの上を一枚の布切れで丁寧に磨くと字がきれいに現れてくるのです。この方法は難しそうに見えますが、その始まりは紀元前3年まで遡っていますので、当時あった他の方法に比べると大変高度な技術とされていました。時間がたって字が見えなくなった場合はもう一回粉を広げて磨く作業を繰り返します。こうしてできた「プスコラポタ」のおかげで仏教をはじめ、国の歴史や文学や医学などが失われずに現在まで伝えられてきたのです。

以上は私の国で紀元前3年頃から使われてきた本に付いての簡単な紹介ですが皆さんの国では当時どのような本が使われていたか調べて見てください。きっと面白いものを発見できると思います。

時間とともに変化して様々な形で現れた本の役割を現在はパソコンが果たしています。私は昔から人間の親しい友達であった本をさらに上手に使うべきだと考えています。