平成23年度入学式 式辞


 本日国立香川高等専門学校は284名の本科新入学生、留学生を含めた編入学生7名、ならびに52名の専攻科新入学生を迎えることができました。

 ご列席の来賓の皆様、保護者の皆様、並びに全ての本学教職員とともに、今日の佳き日をお祝いしたいと思います。本科生ならびに専攻科生の皆さん、入学おめでとうございます。

 本校は平成21年10月1日に、これまで香川県にありました二つの国立の高等専門学校である高松工業高等専門学校と詫間電波工業高等専門学校とが高度化再編されて発足したものです。新入生の皆さんは香川高等専門学校の第2期生ということになります。キャンパスが高松市勅使町と三豊市詫間町の2か所に離れていますので、学生諸君の相互交流は必ずしも容易ではありませんが、一つの高専であるという意識を機会があるごとに共有して下さるようにお願いします。

 本科生は5年間、専攻科生は2年間という決められた期間の中で、工学基礎をしっかりと身につけて、将来の科学技術を支えるengineerの一人として、実力をしっかり身に付けて下さい。とりわけ、本科生の皆さんは、今まさに技術者への道の門口に立った訳ですが、これからの香川高専での5年間の毎日が、皆さんの将来を決定することになります。日々の学習に励み、工学とは何であるのか、さらには科学技術の奥深さを理解して、中学校までの理科や数学といった科目とは異なる、現実の工学社会における基礎科目の重要性に気づいて下さい。皆さんがこの間に出来る限りの努力をすることが、今の若木の状態から大きく成長し、立派な枝葉を繁らせることに繋がることでしょう。大樹が大きく成長するためには、その前に長期間にわたって根を広げ、足元を固める時間が必要です。この目立たない期間の努力が、その後の成長を促すことになることを肝に銘じてください。また、根から十分に養分を吸収して、自分のものとする必要がありますが、香川高専では教職員が一致協力して、新入生の皆さんの成長を支えるシステムを完備しています。5年間の学習の成果は、准学士の資格を取得することになり、直ぐにも実社会で活躍出来るようになります。また、最近の香川高専の卒業生の多くは、更なる知識と技術の修得を目指して、大学編入の道を選んだり、あるいは2年間の本学専攻科に進学して、大学卒業と同等の学士の学位を取得し、その後さらには有名大学の大学院へ進学するなどしておりますので、新入生の皆さんの前途は洋々であると申せましょう。

 5年間の高専生としての期間に、勉学に励むことはもちろんですが、課外活動にも是非積極的に取り組んでください。高専では大学入学のための不毛な受験勉強に取り組む必要はありませんから、文武両道の鍛錬に5年間を存分に使って、有意義な高専生活を送ってもらうように願っています。香川高専には数多くの体育系クラブと文化系クラブ、それに同好会があります。皆さんの入部を待っていますので、何事にも失敗を恐れずに果敢にチャレンジしてください。苦楽を共にすることが、互いの強い絆を築くことに繋がるものです。生涯を通した親友に出会うことになるでしょう。また、全国には国立高等専門学校は51もあり、さらに、公立の高専や私立の高専を合わせると57高専となりますので、皆さんと同学年の高専生は約10、000名に及びます。高等専門学校は課外活動に関する四国地区大会や全国大会が数多くありますので、これらにも積極的に参加して、多くの仲間を作ってもらうと幸いです。若い皆さんの感受性にあふれた才能がこの5年間で大きく開花するものと期待しています。

 新入生の諸君へはそのためにもまずもって、人と会っての挨拶を忘れないことと、常に感謝する気持ちを持つことを心がけてください。この二つは簡単なことではありますが、人とのコミュニケーションを図るうえで最も大切なマナーです。大きな声で元気よく挨拶をすること、日々の暮らしに感謝することを忘れないようにしてください。

 また、香川高等専門学校専攻科へ入学した皆さん、5年間の本科生時代の経験をもとに、さらなる2年の間、より高度な知識と技術の習得に努め、独創性に富んだ自立した技術者への道に邁進してくれるように願っています。自発的な行動力の獲得と、未知の分野へ挑戦する勇気の涵養に心がけ、しっかりと大地へ根を据えて、ますます枝を広げ幹を太くしてもらえると幸いです。広い視野と豊かな人間性、高い倫理観を兼ね備えた自立した技術者として成長を遂げることを期待しています。自立した人格とは必ずしも簡単なことではありません。独立した個人の権利と、それに伴う責任とを有するということを意味しています。お互いの人格を尊重し合うことが大切です。自ら努め励むことを決意し、人間相互の和と尊敬の念を抱きながら、人・社会と調和・協力して問題解決に取り組む、創造性豊かな高度実践技術者を目指して下さい。

 御承知の通り、3月11日に発生した東北関東大震災は未曽有の激甚災害と、原子力発電所の炉心溶融をもたらしました。また関東一円では計画停電を強いられています。全国の高専の中には入学式はおろか、昨年度の卒業式もできていないところがあります。復旧復興に国を挙げて取り組まねばなりませんが、科学技術の在り方にも今大きな課題が突きつけられています。ものづくりの原点である設計仕様をどのようにするか、極めて困難でしかも唯一の正解の無い判断が求められることになるでしょう。

 それはともかくとして、全ての学生諸君は将来の日本、ひいては地球社会全体を支える独立した技術者になるように、努力してもらわねばなりません。より良い地球社会の創出は国際的に活躍しうる技術者によってはじめて達成が出来るものと私は確信しています。

 新入生の皆さんは入学にあたって志を新たにしていることと思いますが、その初心・意気込みを忘れることなく、一日も早く香川高専での生活に慣れ、心身ともに充実した5年間、専攻科生の諸君はこれからの2年間を過ごされることを願って、校長の式辞といたします。

平成23年4月5日   香川高等専門学校長  嘉門雅史



香川高等専門学校
校長 嘉門 雅史
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