電子制御工学科

1.教育目標

 エレクトロニクスを用いて様々な機器やシステムを制御する技術は,社会のあらゆる所に用いられており,我々の生活のためになくてはならないものになっている。さらに,近年の集積回路やコンピュータの急速な小型化により,コンピュータを用いて各種電子機器を高度に制御することが求められるようになってきた。このような状況の下で,制御するシステム全体を総合的に理解し,設計・運用できる技術者が求められている。

 電子制御工学科では,このような技術的・社会的状況を適確に把握でき,設計・開発や製造部門の中枢を担える技術者の育成を目的としている。

 電子制御工学科の教育目標は以下の通りである。

(1) 5年間の一貫した教育により,一般教育と専門教育を有機的に関連させて,効果的な技術教育を行う。また,制御技術の基礎として電子工学及び情報工学の素養を身につけさせるとともに,制御,計測等に関連する教育を行う。
(2) 基礎的な科目を重視し,工学実験や卒業研究等を通して,それらの知識を応用し,自ら学習する姿勢を涵養する。
(3) 電子制御技術の急速な進展に対処するため,理解力,創造力,判断力を育成し,新しい技術に対応できる柔軟性を有する技術者を養成する。

2.授業内容

(1) 専門科目の授業
●低学年の工学基礎では,基礎電気工学,情報処理をはじめ電気回路,応用物理,制御工学,電気磁気学,電子回路,デジタル回路等を通して,広い範囲の専門科目を修得できるように配慮されている。

●高学年では,工学基礎の延長線上にある上級科目及び即戦力として必要な情報処理技術,ロボット工学を含むメカトロニクスや制御技術などの専門科目を修得できるように配慮されている。すなわち,応用数学,半導体工学,機械力学及び計測工学などの必修科目に加えて,数値解析,確率統計論,制御機器,オペレーションズリサーチ,システム工学,通信理論,固体物理,シ−ケンス制御,知識工学,ロボット工学,流体力学,熱力学,計算機工学,画像処理及び通信システムなどの選択科目が準備されている。

(2) 工学実験及び卒業研究
 第3学年では毎週4時間,第5学年では毎週2時間の工学実験が配当されている。1クラス4グループ制を採用し,第3学年では8テーマの実験を行う。第5学年では3テーマの実験を行う。実験内容としては,ハードウェア関係のテーマとソフトウェア関係のテーマがバランスよく配備されている。

 第4学年では毎週4時間の工学実験が配当されている。第4学年の前期は制御工学実験及びプログラミング演習を,後期は各教官に配属し,それぞれのテーマについて実験を行う。実験内容には,技術者として必要な基礎的なものと応用的なものを含む。さらに,最新の高度専門技術を体験し,社会的責任を自覚し自立した技術者を育成するために,企業の工場見学及び校外実習などを積極的に取り入れている。

 卒業研究では,各教官に配属し一つのテーマについて研究を行わせる。研究計画の立案,実験に関する検討及び実験結果の考察などを通して,創造性を活かした独力解決型の探求力の習熟を図るとともに,報告書の作成や口頭発表など発表能力・コミュニケーション能力の強化について指導する。