国立香川高等専門学校(香川高専)は、ともに長い歴史を持つ高松工業高等専門学校(高松高専)と詫間電波工業高等専門学校(詫間電波高専)が統合して2009年10月に発足し、2021年度の入学生は第12期生となります。本校には、本科7学科として、機械工学科、電気情報工学科、機械電子工学科、建設環境工学科、通信ネットワーク工学科、電子システム工学科、情報工学科、専攻科2専攻として、創造工学専攻と電子情報通信工学専攻を設置しています。高松キャンパスは創造工学系、詫間キャンパスは電子情報通信工学系とキャンパスそれぞれの特徴を活かしながら、両キャンパスの連携を強化することで、香川高専として魅力的な教育プログラムと教育環境を提供しています。
本科は、中学校卒業後からの5年間の課程であり、大学2年生までに相当する一貫教育である特徴を活かし、リベラルアーツとしての基礎科目からエンジニアリングの専門科目までを体系的に学ぶ、新しい教育プログラムを提供しています。低学年からはじまる実践的技術教育を融合したカリキュラムにより、「広い視野をもつ」、「科学技術の基礎知識と応用力を身につける」、「課題解決の実行力と想像力を身につける」、「物事を論理的に考え表現する能力を身につける」ことを目的としています。これにより「豊かな人間性を有し、創造力に富む実践的な技術者の育成」を行っています。5年間の学習で、大学とほぼ同程度の実力を身に付けることができ、准学士の学位を取得することができます。
専攻科は、本科卒業後2年間の課程であり、創造的「ものづくり」の領域で活躍できる技術者、先端的「電子情報通信」の領域で活躍できる技術者をめざして、高度な「分析・解析能力」、「創造的課題解決能力」、「研究開発能力」を身につけることで、「様々な産業分野において指導的役割を担える創造性豊かな実践的技術者の育成」を行っています。専攻科修了時には、学士の学位を取得することができます。これにより、大学卒業と同等となり、大学院受験の資格も得られます。
各キャンパスには、図書館、学生相談室、キャリアサポートセンター、保健室などにより修学サポート体制を整え、男子寮・女子寮、食堂・売店、合宿研修施設などの福利厚生施設を備えることで、キャンパスライフの充実を図っています。
香川高専では、グローバル教育にも力を注いでおり、国際学術協定をベースとした「海外インターンシップ」や「海外からの講師招へいや遠隔講義」、「グローバルエンジニア研修プログラム」による学生の派遣や受け入れなどの活動を、国際交流室を中心として推進しています。また、みらい技術共同教育センター、地域イノベーションセンターを設置し、地域自治体や香川高専産業技術振興会などと連携しながら、人材育成ならびに共同研究などを行い、「地域における知の拠点としての社会貢献」を進めています。
これまでの高松高専と詫間電波高専の長い歴史と伝統の中で、二万余名の両校の卒業生・修了生の多くは民間企業や、官公庁、大学、研究所等において、産業・技術・研究の第一線で幅広く活躍しており、その優れた実力と堅実な勤務態度は各方面から高く評価されています。香川高専はこの伝統を継承しつつ、新しい歩みを進めて参りますので、皆様のご支援ご鞭撻、よろしくお願い申し上げます。