総合実習全体についての感想(学生の報告書より抜粋)

Last update: 2000/03/13


大石慎也(1999年度2年生)

 今,専門教科で加工学,設計製図をやっているが,加工学も製図も先生が説明したことを聞き,またノートを取ることしかしていなくて,自分が今,何を勉強しているのかははじめのうちは分かりにくい。製図の図面を見ても,加工学の図を見てもいまいち頭に入ってこない。けれど,実習をやることで,あの時の説明の意味が分かったり,ただ書き写しただけの製図の図面がどういうものなのかなど,授業で分からなかったことや,疑問に思っていたことが分かるようになる。また,毎日の実習のたびにレポートを提出しなければいけないけど,レポートをちゃんと書くことによって,実習で自分が何をやったのかきちんと頭に入ってくる。はじめは,どうやってレポートを書いたらいいのかさえ分からなかったのに,今はずいぶんうまくまとめられるようになったと思う。なにより,今回の実習は,はじめに与えられた図面から自分の力で読みとり,1から製品を作ったけど,とても苦労した。この部品はスターリングエンジンのどこに使われているかなどを考えて,段々形になっていくのはとてもうれしかった。そして,エンジンが完成してまわってくれたときはホッとした。総合実習を通して,専門教科の科目と関連して機械のことが少しは分かったと思う。

大西弘将(1999年度2年生)

 1年のはじめから頃の製図の授業は,ただ単に教科書の図面を写しているだけだった。それはなぜかというと,その図を見てもこれは何を表しているのかとか,この記号の意味はなんだろうと疑問ばかりで何も知らなかったから。例えば,Vブロックの図面を書いたとき実物を知らないからわけが分からなかった。今では実習で使ったことがあるのでどんなものか知っている。だから図面を書くときにも,これはあれを表している図だと十分に理解しながらかくことが出来る。これは設計者にとって大切なことだと思う。僕にとって製図,専門教科,実習はそれぞれ良い関係にあると思う。どれが欠けても困る。まず製図で疑問を見つけ,専門教科でそれを理解する。さらに実習で実際に見て触って使ってみてさらに理解を深めることができる。実習では今まで溶接や鋳造や旋盤またその他の機械を使っていろんなことをしてきたが,それをこれからに活かしていこうと思う。

加賀田翔(1999年度2年生)

 今回の実習でスターリングエンジンというものを初めて知った。エンジンといったら,シリンダ内で爆発を起こすものぐらいしか知らなかった。あんなにゆっくり加熱して,あんなに回転するのに驚いた。また,ピストンが2個ついているのにも驚いた。今まではエンジンといったらシリンダの中にピストンが1個だけついているものだと思っていたけど2つのピストンを使って空気を圧縮させるということがわかった。スターリングエンジンというのはすごく良くできたエンジンだと思う。このエンジンなら空気を加熱させて空気を膨張させれば,それで動くのでガソリンや軽由などを燃やさなくて済む。ということは排気ガスももっとクリーンな熱源を使えば,きれいな排ガスで済むので,地球にやさしいエンジンだと思う。
 今回の実習で,あまりよく知らなかったエンジンのしくみが少し分かった。ピストンの往復運動が回転運動にかわるしくみが良く分からなかったけど,クランクホイルを自分で作って,組み立てて動かしてみて,やっと分かった。エンジンというのは良くできているなと思った。 <中略>
 今回の実習では,あまり良く知らなかったことや,知らなかったことが,実際に自分で体験して理解することができた。今まで少しずつ知っていた知識が頭の中でつながった気がする。改めて機械というのはすごく良くできているなと思った。

佐竹洋輔(1999年度2年生)

 工場で実際にエンジンを作って動かしてみると色々なことが分かった。製図の座学でなんとなく描いていた表面あらさ,はめあいなどを,実際に作ってみて良く分かった。さらに,実際にやってみなくては分からなかった,失敗して初めて知ったことも多かった。例えば,旋盤で鋳鉄,鋼,アルミを切削したがどれも切り込んだ時の感触,キリコの形状などまるで違った。剣バイトの荒削りと仕上げバイトの仕上げ切削は見た目も触った感じも別のものだった。鋳鉄のネジ切りの時に油をさしてうまくネジができなかったことなど。
 特にパワーピストンとシリンダのはめあいには驚いた。差が0.1 mmも無いのに,きつくて全く動かないときもあり,逆にゆるくて圧縮がかからないようにもなる。はめあいの重要性が良く分かった。半年の総合実習はおもしろく,色々とためになった。


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