インターネット・ネットワーク関連の試験制度としては,公的機関による試験・資格制度が見あたりません。しかしながら,1990年代半ばからの急速なインターネット技術の普及を考えると,技術者の計算機ネットワークに関する知識・技術レベルを認定する制度が必要と考えられています。(情報処理技術者試験には,テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験(NW)がありますが,LAN/WANを対象としています)
インターネット技術は,サービス提供技術といえます。したがって,サービス技術の観点から区分されて技術認定されるべきですが,サービスによる区分は安定なものとなりにくく,固定した資格制度となりにくいとも考えられます。他方,通信関連資格である「無線従事者」,「電気通信主任技術者」,「工事担任者」の資格は,設備に関しての操作範囲・監督範囲・工事範囲の観点から区分されて定められているため,安定した資格制度として成立しているわけです。
そこで,時代に合わせた検定制度として,ネットワーク技術に関する個人の知識・技術レベルの認定をおこなおうとするものがあります。NTTコミュニケーションズ社が実施する「ドットコムマスター」は,企業が認定する検定ですが中立的な検定制度として認められつつあります。また,特定非営利活動法人(NPO法人)インターネット実務検定協会が実施する「インターネット実務検定試験」もあります。これらの試験では出題内容・範囲が変化するので,検定合格時点での知識が認定されていることになります。
もちろん,検定に合格すると出題範囲での技術レベル認定を得られるわけですから,社会的な評価が得られることにはかわりありません。
ドットコムマスター
http://www.com-master.jp/
NPO法人インターネット実務検定協会
http://www.acpi.gr.jp/