令和7年度香川高専学生祭「皆楽祭」のサブタイトルについて 「(never) give up lovestory」における括弧の(never)は、単なる装飾ではありません。 それは「諦め」と「諦めなさ」が同居する――人間という存在の根源的な矛盾の象徴です。 私たちは、絶望の中でも希望を探し、 終わりを悟りながらも、なお始まりを信じてしまう。 その矛盾は弱さではなく、むしろ世界そのものと響き合う“生のリズム”です。 昼と夜が交わるように、人の心もまた「七転び」と「八起き」を繰り返しながら、この世界を生き抜いている。 「諦める」と「諦めない」は、対立する感情ではないのです。 ここでいう love とは、誰かや何かへの執着ではなく、 痛みも矛盾もすべてを含めた「存在そのものへの愛」。 不完全なまま生きることを肯定する、それは同時に、 不完全なままの世界を抱きしめることでもあります。 (never) give up とは、努力を続けることではなく、 世界と自分を切り離さずに愛し抜くこと。 喜びも、絶望も、矛盾も、すべてがこの“ひとつの物語”を形づくっている。 それは“成功”や“正解”を超えた、 世界全体を肯定する愛の哲学なのです。